この筋は橈骨の掌側面で回外筋の停止より遠位部および隣接する前腕骨間膜から起始する。その近位部は浅指屈筋の橈側頭に部分的に被覆される。腱は手根管を通過し、短母指屈筋の浅頭と深頭の間を経て(RK547(手掌の筋と腱（III）))、母指の末節骨底に停止する。
**神経支配：**正中神経
**脊髄節との関係：**C6, C7
**作用：**母指の末節骨の屈曲
変異：稀に欠如する。起始は橈骨結節まで及ぶことがあり、また橈骨近位1/4に限局することもあれば、橈骨近位3/4以上に広がることもある。浅指屈筋、深指屈筋、円回内筋、上腕筋、第1虫様筋との結合が報告されている。上腕骨の尺側上顆から補強筋束が起始することがあり（40%）、また尺骨の鉤状突起から起始することもある。これらは上腕頭（Caput humerale）と呼ばれる。