この筋は踵骨隆起の脛側結節の下面から起こり、足底腱膜に覆われて前方に伸びる(RK583(足底における筋群(I):足底腱膜) )。4つの腱に分かれ、長趾屈筋の腱と合して前進し、共通の腱鞘である趾腱滑液鞘Vaginae synoviales tendinum digitorum pedisに包まれる。これらの腱は第2~第5趾の中節骨の底に停止する。
第5趾に至る腱はしばしば痕跡的である。これらの腱は手の浅趾屈筋の腱と同様に1つの裂隙を持ち、長趾屈筋の腱がこれを通り抜ける。
**神経支配:**内側足底神経
**脊髄節との関係:**L5, S1
**作用:**第2~第5趾の中節骨を屈曲させる。
**変異:**日本人における短趾屈筋の第4腱の欠如は、男性209体側のうち75体側(35.9%)、女性83体側のうち21体側(25.3%)である(小金井良精、新井春次郎、敷波重次郎:東京医学会雑誌、17巻、127~131、1903)。また深頭の出現率は50体100体側のうち38.5%、浅頭に第5趾腱を欠くもの21.0%、浅頭、深頭ともに第5趾腱を欠くもの7.0%(豊田春満;解剖学雑誌、12巻、1938)。この筋は完全に欠如することがあり、小趾に至る腱がしばしば欠如する。