https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
基本構造
神経支配
機能
解剖学的変異
RK520(下顎骨外面の筋起始と停止)、RK521(上顎骨内面の筋起始と停止)
(進藤は日本人の顎二腹筋の変異を130体中約67%に認め、分類している(進藤篤一:九大医報,291~292,1932;解剖学雑誌,8巻,47~48,1935)。山田はこの筋の変異を6型に分類し、そのうち起始型(24.6%)が最も多いと報告している(山田迪:解剖学雑誌,8巻,303~318,1935)。)
この筋は2つの筋腹から構成される。後腹(Venter posterior)は乳突切痕から起始し、胸鎖乳突筋に覆われながら前下方へ走行して、舌骨大角上で強靱な円柱状の腱となる。ここで前腹(Venter anterior)へと移行する。前腹は下顎骨の顎二腹筋窩に停止する。前後両腹の間には中間腱があり、線維性の索によって舌骨に強固に固定される。筋全体は弓状を呈し、顎下腺を包み込むような形態を示す。
**神経支配:**後腹は顔面神経の顎二腹筋枝により、前腹は三叉神経第3枝から分岐する顎舌骨筋神経により支配される。
**作用:**舌骨の挙上および下顎骨の下制を行う。
変異:前腹の欠如がみられ、この場合、後腹は通常の位置を保持するか下顎枝に停止する。前後いずれかの腹の重複も報告されている。両側の顎二腹筋前腹間では筋束の交換がみられ、互いに癒合することがある。中間腱の舌骨への付着は、線維性の索の代わりに輪状構造をとることがある。Le Doubleは後腹内に時折腱画を確認している。副筋束として後頭舌骨筋(M. occipitohyoideus)がしばしば存在し、後頭骨下項線または乳様突起から起始して顎二腹筋後腹へと移行する。
まれに前腹が下顎角から副筋束を受け取ることがある。また、板状筋、顎舌骨筋、茎突舌骨筋、オトガイ舌骨筋、僧帽筋との結合も報告されている。