頭蓋の内部には非常に多くのリンパ路が存在し、以下の群に分類される:
脈絡叢には豊富なリンパ管網があり、これは柔膜間リンパ隙の系統に属している。
脊髄にも上述と同様のリンパ路がある。特徴的なのは、脊髄では硬膜の両葉が離れており、外葉が脊柱内面を被う骨膜を形成し、内葉が脊髄を外方から包む被膜となっている点である。
そのため、内外両葉の間に大きな硬膜上リンパ腔が存在し、その中に脊柱管の静脈叢や脂肪組織などが含まれる(脊髄の項参照)。
中心管と脳室は原リンパ腔(Urlymphräume)とみなされ、胎生期のある時期以降、軟膜腔と直接連絡している(V. 神経系 Systema nervorum, Nervensystem 参照)。
脳、脊髄、およびそれらの被膜からのリンパ流出路は、頭蓋と脊柱のすべての孔を通過する。また、顕微鏡下でのみ観察可能な細い血管の通路もこれに関与している。主要な頭蓋孔としては、頚動脈管、頚静脈孔、および椎骨動脈の通路が挙げられる。
解剖学的には、これらに加えて嗅粘膜のリンパ路、聴覚器の外リンパ腔、眼球の脈絡外腔、および末梢神経とそれぞれ連絡がある。