(RK662(腹大動脈とその主な枝)、RK669(骨盤右半分の動脈分枝(左側面図)) )
この動脈は走行と分枝において部分的に腰動脈と類似しているが、その分布域の広さは第5腰動脈の発達と反比例する。内腸骨動脈の後方主枝から始まり、即座に腰筋と総腸骨動静脈の後方を通って腸骨窩へ向かう。
腰筋の内側縁で腰枝(Ramus lumbalis)という1本の上行枝を出す。腰枝は第5腰椎と第1仙椎間の椎間孔に1本の脊髄枝(Ramus spinalis)を送る。他の枝は大腰筋、腰方形筋、腹横筋に分布する。幹の続きは腸骨枝(Ramus ilicus)と呼ばれ、浅枝と深枝に分かれる。浅枝は腸骨稜下で腸骨筋の自由面上において深腸骨回旋動脈の1枝と合して動脈弓を形成し、ここから上下へ筋枝を出す。深枝は骨膜と腸骨内に分枝し、さらに閉鎖動脈と吻合する。
腸腰動脈は時に最初から2本の枝に分かれて出ることがある。